Vol.6 次に至るべき場所


ある本で、「頭が良くなる音楽」というものが、紹介されている。(1)


  「聞くと頭が良くなる」と言われている音楽がある。モーツァルト
  <二台のピアノのためのソナタニ長調、K448>だ。
      (中略)
   ただし、K448の効果が特別に高いのかどうかは、わからない。
  また、この曲がモーツァルトの作品中で格別の名作とも思えない。
  私の独断的判断では、ピアノ・ソナタなら、ハ長調の曲のほうが
  よいと思う。とくに、K330(300h)やK455は、絶品だ(マリア・J・
  ピリスの演奏がよい)。右の結果を「一般に、勉強の合間の音楽は、
  頭によい効果をもたらす」と解釈して、自分が好きな音楽を聞けば
  よいと思う。


と、K448の効果は、かなり懐疑的に述べられている。


しかし、私は、これに飛びついた。
「K448で、本当に、頭が良くなるのではないか」と思ったのだ。


すぐに、そのCDを探しまわった。
3軒目に行ったCDショップに、輸入盤で、あった。


聞き始めたものの、どの様な効果があるのか、私は不安だった。


数ヶ月して、その効果があらわれた。<次に、どこへ行ったらいいか>が、眼前に、ドーンと絵の状態で見えるのだ。


絵で見えた場所へ行くのは、当初行こうとしていた場所へ
行くより、ちょっと<苦痛>だ。
しかし、この<ちょっとの苦痛>というのが、<正解の妙味>であるのだ、
と私は思っている。


あなたが、もし、聞きたいのであるなら、
そのCDを聞く際の私からの注意点として、


(1)1日、2回、集中して聞く。
(2)二台のピアノの音を聞き分ける。
(3)ある時期まできたら、やめなければならない(これは、ある人から指摘された)。


ということが挙げられる。


「頭が良くなる」とは「次に至るべき場所が見える」ということだったのだ、
と思っている。


 (1)野口悠紀雄:『「超」勉強法』(講談社, 1995)


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