文具売場にて〜阪神百貨店の良き伝統
阪神百貨店文具売場は、お気に入りの場所だった。
ある年に、新卒で入った緑色の瞳の女の子も、
私のお気に入りだった。
その子に会いたくて文具売場へ行き、
ボールペンを買う。
その子が聞く。
「ボールペンをお求めですね?」
私は、ちょっと、ムッとしてしまう。
(そんなの、見れば分かるではないか!)
お金を支払うとき、その子がわざわざ聞いた意味が分かる。
シャープペンシルをボールペンと間違えて購入する人がいるのだ。
彼女の質問は妥当だった。
頭の良い質問だったのだ。
別の時、<耐水性の紙>が欲しくて、訪れたこともある。
風呂でアイデアを思い付くため、
どうしても<耐水性の紙>が欲しかったのである。
年配の店員が、
「あったかしら?」
と言いながらも探してくれる。
もう一人の年配の店員が言う。
「あった。そう言えばあったわ。
システム手帳のリフィルで、<耐水性のもの>があったわ!」
即座に購入した。
年配の店員たちも親切だ。
阪急百貨店と阪神百貨店が1日、共同持ち株会社
「H2Oリテイリング」(大阪市北区)を設立して
経営統合した。大阪・梅田に2つの本店を構え、
連結売上高が5068億円(平成19年3月期単純合算)
に上る国内7位、関西では最大の百貨店グループが誕生した。(1)<阪神百貨店文具売場>――良き伝統が失われなければ良いが。
(1)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071001-00000080-san-ind
投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.10.01 22:48