元気にやれ
私は、学生の頃、古武道をするサークルに入っていた。
ここで、何度か言ったかもしれない。
毎年2回、スポーツデイというものが行なわれていた。
スポーツデイのプレ企画と銘打って、
私たち古武道のサークルは、毎回、演武を行なっていた。
毎年、1回目のスポーツデイの演武は、
新入生の事実上のデビュー演武だった。
演武の直前、
ガチガチになっている新入生たちに
ある先輩は、こう言った。
「1年生は、とにかく、元気にやれ!」
私たち1年生が、どれだけ楽になったことか、分からない。
人気バンド・サザンオールスターズの場合で言えば、
「勝手にシンドバッド」で「元気に」デビューする
ことにあたる。
後は、「気分しだいで責めないで」にも、
「いとしのエリー」にも、持っていける。
1曲目を元気に持っていけば、
2曲目は、どのようにでもできるのだ。
私も、「元気に」デビューしたおかげで、
次の演武を「格好良く」も、
「しっとり」とも持っていけた。
いまいちど繰り返しておこう。
最初は、とにかく元気にやろう!
投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.08.04. 19:05
レイナちゃんへ
「キューピット」のポイントというものがなくなって、
レイナちゃんのメールを見られなくなったんだ。
連絡を取りたいことは取りたいので、
gooのメールアドレスのほうにメールを送ってくれるかな?
これを読んでくれることを期待します…。
遊びに行くね!〜今度は、お正月(7月26日)
神社の参道。
川沿いの桜並木が、参道である。
小学6年生の誠と、誠の叔父の慎司が並んで歩いている。
慎司
「神社へ行くの、久しぶりだな――あっ!」
誠
「どうしたの!」
「飛んでいた蝉が、今、突然、地面に落ちた!」
「ほんと?」
「ファーって感じで落ちたぞ!」
「へえ〜」
「あっけないものだなー」
「誠も、見たかったー」
「蝉が死ぬところを見られる確率って、
ひょっとしたら計算できるんじゃないかな?」
「計算できるかもしれない」
「おまえ、
数学科に行って計算してよ。
午後2時から午後3時までに出掛けてる人が、
蝉が死ぬのを見る確率」
「うん。計算する。
でも、卒業したら、ゲームの制作をする人になるよ!」
「なれ!、なれ!、ぜひ、なれ!」
投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.07.26. 22:52
遊びに行くね!〜今度は、夏休み(7月25日)
午後5時半。
電車の中。
誠と、その弟・治(小学2年生)、慎司、誠のお婆ちゃんの4人が、
椅子に並んで座っている。
慎司、誠に、
「映画の上映時間に間に合ったのはいいけど、
映画自体は面白くなかったな!」
誠
「そうだね」
慎司、誠のお婆ちゃん(慎司の母)に、
「『西遊記』は面白かった?」
誠のお婆ちゃん
「面白かった。内容は、漫画風だったけれど」
慎司
「ふーん、あっ、この時間に帰るっていうことは、
ロンが、ひとりで待ってるってことだな!」
誠
「うん」
慎司
「今、『ひとり』って言ってしまったな、俺」
誠
「おかしいんだけど、おかしくないね」
慎司
「なんでだろうね」
誠のお婆ちゃん
「豚まんって、けっこうお腹張るねー。
昼に食べたのに、まだ、お腹いっぱいだわ。
帰ったら、ロンにちょっとやろう」
投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.07.24. 22:11
遊びに行くね!〜今度は、夏休み(7月24日)
昼。
慎司の家の前。
慎司の妹・亜子が、子供たちの写真を撮ろうとしている。
「ぼくちゃんたちー、写真、撮るよー!」
子供たち、それぞれ、アクションもののヒーローの真似をする。
「普通にしてー!」
亜子、慎司に、
「子供たち撮るときは、『普通にして』って言わなきゃいけないの」
慎司、亜子に、
「そんなの、子供の元気なくなるじゃん!」
亜子、慎司に、
「いいの!!」
亜子、子供たちに、
「撮るからねー。普通にしてねー!!」
子供たち、両手を脇に下ろす。元気がない。
慎司
「カワイソー!」
投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.07.23. 22:25
遊びに行くね!〜今度は、夏休み(7月23日)
吉野家。
午後2時。
客は、まばら。
小学6年生の誠と、誠の叔父の慎司が入って来る。
慎司
「えーと、牛丼、大盛り。
誠は?」
「牛丼、並!」
調理場を眺める二人。
「お待ち!」
と店員が牛丼を2つ持ってくる。
慎司
「どうも」
ひたすら、牛丼を食べる二人。
慎司
「はぁー、食べた」
「僕も、食べた」
「ひたすら、ガッツいてしまったな」
「そうだね」
「味噌汁、頼む余裕もなかったね」
「うん」
「卵すら、頼まなかったな」
「本当だね」
「何か疲れたな」
「何か疲れたね」
「『何に』疲れたんだろうな? 俺ら」
笑い合う二人。
投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.07.22. 20:24
祇園祭に来ています(宵山)
昼。
京都。
祇園祭。
宵山。
啓二と恵理、二人とも浴衣を着ている。
昨日と違う浴衣を着ている。
啓二が言う。
「雨、降ってきたね」
恵理が言う。
「これで、人が少なくなるといいね!」
「傘、買う?」
「いらない。打たれて歩く!」
「外国の映画じゃないんだから、
手、広げて歩かなくてもいいのに…」
「いいのっ」
「アレっ! 扇子は?」
「置いて来た。今度は、無くしたときに泣いちゃいそうだから、
置いて来た」
「あの扇子、だいぶ汚れてたから、新しいの買おうか?」
「ノー・サンキュー!!」
「恵理なら、そう言うと思った」
「来年も、来ていい?」
「いいよ。でも、天神祭に行かない?」
「天神祭の時期、会社の休み取れない…」
「じゃ、また、来て!」
「また、来る。祇園祭が好きになったから」
「いつまで、手、広げて、歩いてるの?」
「手、広げて、回って歩くのが、好きなの!」
「ふーん」
微笑む啓二。
投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.07.17. 15:48