祇園祭に来ています(宵山)


昼。
京都。
祇園祭
宵山
啓二と恵理、二人とも浴衣を着ている。
昨日と違う浴衣を着ている。


啓二が言う。
「雨、降ってきたね」


恵理が言う。
「これで、人が少なくなるといいね!」


「傘、買う?」


「いらない。打たれて歩く!」


「外国の映画じゃないんだから、
 手、広げて歩かなくてもいいのに…」


「いいのっ」


「アレっ! 扇子は?」


「置いて来た。今度は、無くしたときに泣いちゃいそうだから、
 置いて来た」


「あの扇子、だいぶ汚れてたから、新しいの買おうか?」


「ノー・サンキュー!!」


「恵理なら、そう言うと思った」


「来年も、来ていい?」


「いいよ。でも、天神祭に行かない?」


天神祭の時期、会社の休み取れない…」


「じゃ、また、来て!」


「また、来る。祇園祭が好きになったから」


「いつまで、手、広げて、歩いてるの?」


「手、広げて、回って歩くのが、好きなの!」


「ふーん」
微笑む啓二。



投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.07.17. 15:48


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