狭い広いの裕美(人違い)


土曜日。
午後9時40分。
走る乗用車。
裕美と拓郎が乗っている。


拓郎
「あ、ガソリン切れる。 ガソリンスタンド、寄ってもいい?」


裕美
「いいよ」


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ガソリンスタンドに入る乗用車。


拓郎
「レギュラー満タン、お願いします!」


男の従業員
「ハイ、レギュラー満ターン」


男の従業員がフロントガラスを拭く。


裕美
「何だろ? 向こうのあの女の子。
 さっきから、こっちばかり見てる。
 わっ、こっちに来た!」


拓郎
「窓、開けてあげて」


女の従業員
「ひょっとして、Aの宮保育園の吉川先生ですか?」


裕美
「違います」


女の従業員
「そうですか。すみませんでした」


裕美、窓を閉じる。
「私、前にも、同じことを聞かれたことがあるの!」


拓郎
「へーえ」


裕美
「どんな人だろ? 吉川先生って。そんなに似てるのかなー」


拓郎
「世の中に何人、自分に似てる人が居るんだったっけ?」


裕美
「何人だったっけ? でも、気になるなー」


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従業員達
「ありがとうございましたーっ」



投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.07.03 23:17


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