無線の試験〜格好良くなりたくて


15歳の頃から、アマチュア無線の免許が欲しかった。
「第四級アマチュア無線技士」という資格である。
しかし、なかなか、その勉強を始めることができなかった。


30歳になったある日、アマチュア無線のテキストを、書店で、1冊、
手に取ってみた――。
高卒の人なら、誰でも受かりそうな問題内容だった。


「やった!」
これに受かれば、「普通の人ができることもできる、という証明になる!」
と私は思った。
(私は、普通の人ができることができないと、
よく人に、言われていたのである…)


しかし…、
しかしである。
それでも、私は勉強を始めなかったのである。
理屈では、勉強の動機が、よく、分かっていたのに、である。
何故できなかったのか?
それは、いつでもできる、と思っていたからだ。
いつでもできると思っていることは、
いつまでたってもできない、というやつである。


そんな折、私が動かされたのは、妹に言われた、次の一言だった。
「無線の免許、取ったら、格好いいで〜、スキー場で、トランシーバーで!」


その次の日から、私は猛勉強を始めた。
格好良くなりたくて始めた。
たかが、アマチュア無線の試験に、これほどは勉強はしない、
というくらい、勉強した。


その結果、苦手なはずの「法規」の問題では、満点を取った。


人間、格好良くなるためなら、何でもやるのでは? 
と思う、昨今の私である。


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