青が違う〜「晴れた沖縄・青い海」


私は、学生時代、
キャンパス誌を編集する団体に入っていた。


3年のときだった。
1年間に発売する5冊を、全体の統率もしつつ、
私自身も一つ、表紙のイラストを描くということを企画した。
5人競作の表紙イラストだ。


夏に発売する雑誌には、私がイラストを描いた。
魚が群れをなして海を泳ぐ様子を、イラストとして描いたのだ。


そのイラストに対して、
沖縄出身の女の子・M.T.さんがこんな感想を漏らした。


「違う。
 もっと青いの」


「色指定」という方法で、熱帯(亜熱帯?)の海を表現した。
色を塗って表現したのでなく、色を選んで表現したのだ。
しかし、それが「違う」というのだ。


デザイン科に通う私にとって、捨て置けない意見だった。


沖縄出身のM.T.さんは、私の直属の部下でもなく、
当時、付き合っていた女の子でもなかったのだが、
その意見は、私の心に突き刺さった。


M.T.さんの言う、海の色がどんなものか――
いつか確かめてみたいものだと思っていた。
どう<もっと>なのかが、知りたかった。


5年程前、母の還暦祝いに、妹と沖縄旅行と画策した。
正確に何年前のことか、ということは忘れたのだが、
沖縄代表の高校が、甲子園のセンバツで優勝した年と言えば、
分かっていただけるだろうか。


妹と甥2人、母、そして私の計5人で、沖縄を訪れた。


「M.T.さんの言っていた、<青い>海はどんなものだろう?」


残念ながら、3日間の沖縄滞在中、
晴れた日は1日もなく、
曇りと雨の日ばかりであった。
飛行機からも、船からも、
濁った海ばかり眺めるはめになってしまった。


確かめられなかったのだ。


私の今の最大の望みは、「晴れた沖縄に行ってみたい」、ことだ。


人気blogランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ