Vol.3 自分だけの事をする


高校時代、私は、バレーボール部に入っていた。


部員の自然淘汰が終わった頃、
バレーボール部の1年生全員で、
K神社の夏祭りへ行った。


K神社は、私の高校のすぐ近くにある。


参道は、夜店でいっぱいだった。
賑わっていた。
そして、楽しい時間が過ぎた。


しばらくたった最も楽しい時間帯に、
Mが、突然、「帰る」と言い出した。


当時の人気番組・「池中玄太80キロ西田敏行・主演)」
をTVで観たいから、「家へ帰る」と言うのだ。
まだ、ビデオデッキが普及していない頃の話である。


「M、付き合い悪いな」と友人たちが、口々に言った。


「じゃあ」と言って去って行ったMの後ろ姿を、私は、
いつまでも見ていた。<何か>を感じたのだ。
その時は、何だか、分らなかった。


「S(私の名前である)、行くぞ!」と友人たちに言われても、
私は、まだ、見送っていた。


Mは、結局、私たちの代の主将となり、そして、
1年、浪人はしたものの、
(驚くべきことに)
京都大学医学部に合格した。
見事だった。


「自分だけの予定を大切にする」。
私は、4年後に、その大切さを思い知る訳だが。


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