立体の授業


美術学部に入学した私が、最初に直面した問題は、
「立体の授業」だったと思う。


1年生は、50音順に3クラスに分けられ、
基礎的なことを学んでいく。
3クラスとも、ひとクラスの中には、
油絵、日本画、書道、グラフィックデザイン、生産デザイン、建築デザイン等
――専門が異なる生徒たちがいた。


彫塑の授業をひととおり受けた後、
私たち2組が「立体の授業」に取り組んだ。


「立体の授業」は、はっきり言って、難しいものだった。
私たちは、いきなり、<折り紙建築>の課題をやらされたのだ。


半分、アソビのような課題ではないか? 
と思うだろう…。
しかし、あなたは、作る側に立ったことがあるのだろうか?


基本的な作り方を、先生に教わって、
それぞれ、自分の作品に取り組む。


十何分かして、女の子が、突然、声を上げた。
「できません!!」


油絵専攻の女の子だった。
「全然、思い浮かびません!」


泣き出してしまった。


私も泣きそうだった。
「立体」にどう取り組んだらいいのか、
全く、分からなかったからだ。


先生は、女の子に説明した。
「大まかな所から作っていけばいいんだ!」


私は気が楽になった。
「何だ、<英語>の5文型と同じじゃないか!
 英語の<文型>のように、大まかな所を作ってから、
 やっていけば、いいのじゃないか?」


私は、泣かなかった訳である。



投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.11.30 17:14


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